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保険会社によるむちうちの治療期間の制限について

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年9月25日

1 保険会社による治療費の支払

事故後の治療費について,事故の相手方が任意保険に加入している場合には,その保険会社(以下「相手方保険会社」といいます。)が相手方本人に代わり,治療費を医療機関に支払うことが一般的です。

2 相手方保険会社による支払期間の制限

ところが,被害者が治療を継続したいと思っても,「相手方保険会社による治療費の支払期間は○月末まで」として,相手方保険会社が治療費支払期間を一方的に制限することがあります。

これは,期間を短縮することにより,相手方保険会社による治療費支払の負担を軽減できるばかりではなく,治療期間に応じて支払われるべき入通院慰謝料(傷害慰謝料)の軽減にもつながるためです。

3 上記制限に対する被害者の対応

被害者の側が,強制力をもって上記制限を阻止する手段は,残念ながらありませんが,以下の方法により,治療を継続することが考えられます。

⑴ 相手方保険会社と交渉し,期間の延長を求める

この場合,延長の求める根拠として,一般的な治療期間よりも短い期間での制限は不当であることを指摘したり,医師による診断書(「今後さらに○○日程度の治療期間を要する。」などと記載されたもの。)を提出することが考えられます。

また,裁判においては,治療により症状の改善の事実が認められるのであれば,必要な治療期間であると認められるため,症状の改善の事実について相手方保険会社に伝えることも大切です。

⑵ 労災保険あるいは健康保険の使用

お勤め先が労災保険に加入しており,かつ,お勤め先の業務に従事中(通勤も含む)の事故であれば,労災保険により治療を継続することが可能です。

また,上記業務外の事故の場合には,所定の手続き(第三者行為による傷病届の提出など)を経た上で,健康保険を使用して治療を継続することができます。

ただし,健康保険による場合,原則として必要な治療費の3割は被害者自身が医療機関に支払うことになります。これを相手方に損害賠償として請求するためには,支払った際の領収書を保管しておくことが必要です。

⑶ 人身傷害保険の使用

ご自身あるいは同居のご家族が自動車保険に加入あるいは被保険者となっている場合,自動車保険によっては人身傷害保険の特約が付されている場合があります。

この特約が付されているのであれば,治療費は人身傷害保険から支払われるため,被害者自身の負担なくして,治療を継続することができます。

4 制限された期間を超えての治療に対する治療費について

保険会社による制限を超えての治療であっても,これが症状の改善に必要な治療費であれば,相手方に請求することができます。

保険会社によっては,治療状況等についての医師への確認を経ることなく,一方的に治療期間を制限することがありますが,この場合は,制限する根拠を確認していないわけですから,制限後の治療について必要な治療と認められる可能性が高くなります。

  

5 弁護士に対する相談について

保険会社による治療期間の制限がされた場合,被害者としては不安以外の何者でもありませんが,上記のとおり,きちんと対応する方法がありますので,当事務所までご相談ください。

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