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むちうちで3か月通院した場合の慰謝料

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年8月31日

1 二通りの算定基準

事故から、治療終了までの期間に応じて慰謝料が支払われるのが通例です。

この慰謝料の算定方法について、自動車賠償責任保険(以下「自賠責保険」といいます。)と、裁判あるいは弁護士が関与して行われる示談(話し合い)での基準は、次にお話しするとおり、大きく異なっています。

2 自賠責保険における慰謝料の算定基準

自賠責保険では、1日当たりの金額を4300円とし、これに通院日数(実際に通院した日数)を2倍したものを乗じることによる金額と、治療期間中の日数に4300円を乗じた金額とを比較して、どちらか安い方が支払われます。

多くの場合、前者の算定方法(通院日数の2倍)が適用されます。

例えば、3か月の通院期間のうち、毎週1回ずつ、12日間通院した場合の慰謝料は、4300円×12日×2=10万3200円となります。

日数を基準として算定するので、通院日数が多いほど、慰謝料額も、高くなることになります。

ただし、けがに対する自賠責保険の金額は、上限が120万円と定められており、このなかには、医療費や休業損害、通院交通費などに対する支払も含まれるので、慰謝料以外の項目の金額が高額であるような場合には、所定の慰謝料の一部の支払にとどまる場合もあります。

上記の通院の例で、医療費と休業損害を合わせた金額がが115万円となってしまった場合には、自賠責保険からの慰謝料の支払いは、残り5万円しか支払われないことになります。

3 裁判所または示談の場合

この場合は、日数ではなく、期間に応じて応じて目安となる金額が定まっており、通院期間3か月に対する裁判での基準額は53万円となります。

これは、裁判での判決を前提とした金額であり、裁判とはならずに示談(話し合い)にて解決した場合は、上記の8割程度の金額にて合意することが多いとされています。

4 両者の比較

多くの場合、裁判所での基準によった慰謝料額のほうが高くなります。

しかし、通院日数が多かったり、被害者の過失割合が大きい場合には、自賠責保険から支払われる金額の方が大きくなる場合があります。

これは、自賠責保険が、期間ではなく日数を基礎として算定していることのほかに、自賠責保険では、被害者に過失がある場合でも、過失相殺の範囲が限定されていることによるものです。

自賠責保険では、被害者の過失割合が7割以上である場合を除き、過失相殺はしないこととされています。

自賠責保険による基準と、裁判での基準とのいずれによるほうが有利かについては、専門的な知識に基づく検討が必要となりますので、専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

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