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むちうちの治療期間について

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年9月11日

1 事故状況と負傷の有無,治療期間

車両が激しく損傷しているなど,事故による衝撃が大きければ大きいほど,むちうちの治療期間が長くなるかというと,必ずしもそうではありません。

軽微な損傷であるにもかかわらず,むちうちとなり一定期間の治療期間を要する場合や,逆に車両の破損の程度が大きいにもかかわらず,むちうちを含め,けがは全くないという場合もあります。

同じ車両に乗車していたにもかかわらず,乗員の一人のみがむちうちとなることもあります。

治療期間についても,事故の程度とは必ずしも一致しません。

2 一般的な治療期間について

これについては,むちうちの原因が内部組織の損傷であり,その回復には3か月を要するとすることを理由に,3か月であるとする保険会社側の見解があります。

しかしながら,上記は整形外科医一般の見解とまではなっておらず,より長期の治療期間を要するとする見解もあります。

3 治療期間の終期について

治療期間の終期となるのは,痛みがなくなり治療の必要性がなくなった場合と,治療を継続しても症状の改善が見込めない状態である「症状固定」の場合の2つです。

痛みが継続していることを理由に治療の継続を主張する方が見受けられますが,治療を続けても痛み(症状)が改善しないのであれば,これは症状固定の状態であり,治療期間の終期であるため,治療の継続は認められないことになります。

治療期間が長くなれば,これに伴い加害者が賠償すべき範囲も拡大するため,治療期間,とくに症状固定の時期について争いとなる場合があります。

この場合,被害者側としては,治療の継続により症状が改善していたことを立証する必要があります。

上記立証のために,被害者としては,医師に対し,症状の改善の事実をきちんと伝えることが大切です。

医師において,症状の改善を診療録に記載したり,あるいは,加害者(保険会社)の医師に対する照会に対し,症状の改善の事実を伝えることにより,症状固定についての争いを防ぐことができます。

逆に,診療録の記載に変化がない,例えば「症状に変化なし」との記載が連続して続くような場合には,実際の治療期間よりも前に症状固定であると判断される可能性が高くなります。

この場合,症状固定日とされた日より後に発生した医療費は,被害者自身の負担となってしまいますので,注意が必要です。

4 保険会社からの治療費立替打ち切り通知について

交通事故の治療について,相手方の保険会社がその治療費を立て替えることが一般的ですが,その際,保険会社より「治療費の立て替えを打ち切る。その後も治療を継続するのであれば,被害者の健康保険などを利用して継続するように。」との通知がされる場合があります。

症状の消失や改善が見込まれる場合には,治療を継続し,その費用を相手方に請求することができますが,上記打ち切りの通知がされた時点で症状固定であると判断された場合には,継続による治療費は被害者の負担となります。

打ち切り通知がされた場合には,その後の治療継続により症状の改善が見込めるかどうか,医師と協議した上,治療の継続について判断することが大切です。

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